次亜塩素酸水を加湿器で空中噴霧する方法・注意点
目次
次亜塩素酸水を加湿器で空中噴霧すると、さまざまなメリットがあります。感染症に敏感になっている今、ぜひご自宅やオフィスなどで導入してみてはいかがでしょうか。
次亜塩素酸水の加湿器による噴霧で期待できることは?
次亜塩素酸水を加湿器で空中噴霧した時、どのような効果が期待できるかご紹介します。
①室内での感染防止
次亜塩素酸水は、インフルエンザやノロウイルスなどのウイルスやさまざまな細菌を不活性化します。オフィスや学校・塾の教室など多くの人が集まり、一定時間そこに居続けるような環境での感染防止におすすめです。また、家庭内はオフィスなどに比べると人数は少ないですが、濃厚に接触する分、感染のリスクが高くなるため加湿機での空間噴霧がおすすめです。
特に冬場はインフルエンザが流行するため、感染防止と乾燥防止の両面から次亜塩素酸水入りの加湿器の使用がおすすめです。
②消臭効果
次亜塩素酸水は、おむつ・ペット・たばこ・ごみなどの臭いに対する消臭効果があります。家庭内の消臭はもちろん、喫煙室やホテルのロビー・客室など臭いを残したくない空間の消臭におすすめです。
③アレルギー物質(花粉・ダニ)の除去
次亜塩素酸水は、花粉やダニなどのアレルギー物質の除去効果があります。
スギ花粉症は国民病とも言われ、日本人の4人に1人が発症しています。また、今は花粉症ではない人も毎年花粉を吸い続けると、ある時突然発症することもわかっています。花粉症の人もそうでない人も吸い込む花粉の量を抑えておいて損はないようです。
お手持ちの加湿器で次亜塩素酸水を空間噴霧する方法と注意点
次亜塩素酸水を加湿器で空間噴霧する際には、できるだけ次亜塩素酸水を製造・販売しているメーカーの専用噴霧器を使うことが望ましいです。
お手持ちの加湿器に次亜塩素酸水を入れて空間噴霧すると加湿器が故障する可能性がありますので、自己責任で行ってください。
故障する原因としては、塩酸を使って作られた次亜塩素水の使用はおすすめしません。
①濃度について
次亜塩素酸水を空間噴霧する時の濃度は50ppmが適しています。
市販品の次亜塩素酸水の濃度は商品によって異なっており、200ppmや300ppm、500ppmの商品もあります。お手持ちの次亜塩素酸水の濃度を確認して使いましょう。
緩衝法次亜水(HASH for Pro)のヒトコロナウイルス効果試験では、
・300ppmでは1分以内に99.99%不活。
・75ppm、150ppmでも5分で完全に不活しました。
また、PCRでRNAが完全に消滅したことも確認できました。
②希釈した溶液は1日で使い切りましょう
水道水で希釈した次亜塩素酸水は、phが変化し効果がなくなってしまうため1日で使い切りましょう。面倒臭いかもしれませんが、希釈液を大量に作り置くことはせず、加湿器のタンク容量に合わせた分量のみをその都度作りましょう。
もしタンク内に前日の溶液が残っていても前日分は廃棄し、新しく希釈した溶液をタンク内に入れます。
③加湿器は超音波式、または、気化式を使いましょう
加湿器は水を気化させる方法によって4つの種類(超音波式、スチーム式、ハイブリット式、気化式)があります。
超音波式は、超音波による水面の振動から発生した霧をファンによって拡散しています。スチーム式(加熱式)は、水をヒーターで温めて水蒸気とすることで加湿します。吹き出し口が高温になるタイプの加湿器です。
気化式は、水に大量の風をあてることで水を気化させます。ハイブリット式(加熱気化式)は、スチーム式と気化式を組み合わせたものです。
次亜塩素酸水は熱に弱いという特徴があります。そのため、ヒーターを使うスチーム式(加熱式)とハイブリット式(加熱気化式)では次亜塩素酸水の効果がなくなってしまいます。お手持ちの加湿器を使用する際は、取り扱い説明書などで超音波式、または、気化式であることを確認しましょう。
④次亜塩素酸ナトリウムと混同しないこと
『次亜塩素酸水』と『次亜塩素酸ナトリウム』は全くの別物です。
次亜塩素酸ナトリウムが含まれる市販品の例として、キッチン周りの消毒・漂白に用いる“キッチンハイター”、哺乳瓶の消毒に用いる“ミルトン”、生野菜や調理器具の殺菌に用いる“ピューラックス”などがあります。
これら次亜塩素酸ナトリウムを含む商品は、手袋を付けず直接触ると皮膚のタンパク質が溶けます。それ程人体に強い作用のある次亜塩素酸ナトリウムを誤って加湿器で空間噴霧すると、人体に害がありますので絶対に行わないでください。
効果的に加湿器を使うポイント
加湿器をただ運転しているだけでは、次亜塩素酸水を含んだ水蒸気を充分に部屋中へ行き渡らせられていない可能性があります。設置場所を考慮し、より効果的に部屋中へ行き渡らせるようにしましょう。
加湿器をできる限り高い場所に設置する
床近くの低い場所に加湿器を置くと、空気より重い水蒸気は加湿器の周りにしか拡がりません。また、温かい空気は部屋の上部、冷たい空気は部屋の下部に集まる性質があるため、低い場所から吹き出された水蒸気が冷やされて水になり床を濡らす可能性もあります。
加湿器はできるだけ高い場所に置いて使用し、最低でも床から30cmは高いところに水蒸気の吹き出し口がくるようにしましょう。
エアコンの力を借りて部屋全体に行き渡らせる
エアコンの吸入口近くに加湿器を置くと、エアコンの風と一緒に次亜塩素酸水を含む水蒸気も吹き出して部屋中に行き渡らせてくれます。また、エアコン内のカビ防止にも効果があり一石二鳥です。
ただし、湿度センサーが付いている加湿器は、加湿器にエアコンの風が当たらない吸入口付近の場所を選んでください。加湿器に風が直接当たると湿度センサーが誤作動する可能性があります。
毎日のタンク洗浄と週1回は加湿器内部の掃除をしましょう
どのタイプの加湿器にも共通するお手入れですが、タンクの水を交換する際には空のタンクに少量の水道水を入れて振り洗いしてから新しい水や溶液を入れましょう。
水道水に含まれる塩素は半日程度で抜けてしまいます。塩素が抜けた水は雑菌が繁殖しやすく、雑菌が付着したままのタンクを使用すると水蒸気と共に雑菌が部屋中に拡散します。
万が一、タンク内の水に雑菌が繁殖していてもヒーターを使用する加湿器では、熱によって雑菌が死滅する可能性があります。しかし、次亜塩素酸水を含む水を入れるのに適した超音波式と気化式は、ヒーターによる熱を使用しないタイプの加湿器です。より一層の注意が必要です。
また、週1回は加湿器内部のトレイやフィルターなど常に水が溜まっているところを掃除しましょう。白っぽくふわふわした水アカが溜まりやすい部分です。
不衛生な加湿器の使用が原因で肺炎になった事例がありますので、十分に気をつけましょう。
まとめ
次亜塩素酸水の加湿器による空間噴霧はさまざまなメリットがあるため是非おすすめしたいです。しかし、気を付けていただきたいのは、次亜塩素酸水であればどこのメーカーが販売しているものでも良いという訳ではない、ということです。
市販されている次亜塩素酸水の中には、表示されている濃度と中身の液体の濃度が異なる商品があったり、空間噴霧をして人体に取り込まれた時の安全性が確認されていない商品があります。そのような商品は見た目での判断が難しく、使用していても何か被害が出るまではわかりません。
しかし、被害が出てからでは遅いのです。購入前にその商品の安全性試験やメーカーの信頼度などの情報を確認し、安心・安全な次亜塩素酸水を選んで購入して欲しいと思います。
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